チャイナロビー

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外交は感情に左右される


中国は戦争被害国である。物理的、感情的に何でも言える立場にある。しかし、周恩来は、日本国民に賠償をさせるには忍びないと、補償を回避させた。日本の対米政策も変更しなくて良いとした。大きな譲歩であろう。

日本は今、世界に影響を与え、理解ある先進として、逆に中国の意向を汲み取る必要がある。落とし所はともかく、柔軟に話を聞く立場にある。大同小異を持ち上げ、日米に勝る日中関係構築を掲げ対話する必要がある。

無意味な国内のイデオロギーに邪魔されるのではなく、安倍総理自らが行動し対話し、解決に向かう意思を見せる必要がある。
外交は感情に左右される事を理解すべきだ。

それが出来なければ、もはや首相に留まる資格はない。


以下、人民日報記事

安倍氏の「結束して対抗」は必ず挫折する

 日本の安倍晋三首相は先日日本メディアで「中国が度々歴史問題を取り上げるのは、釣魚島(日本名・尖閣諸島)海域での海洋権益の拡大が主たる目的だ」と公然と述べた。安倍氏はさらに一歩踏み込んで「中国側は力による現状変更を試みている。これに対して日本は妥協せず、中国と領土係争を抱える国々と連携して中国に対抗する」と公言した。(文:華益文・国際問題専門家。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)

 安倍氏のこうした発言は、歴史と領土という中日間の最大の核心的問題および日本の対中政策に関わり、中国側からしてみれば口から出任せで、白黒を逆さまにする、思い上がった発言以外の何ものでもない。安倍氏の誤った歴史観と首相に返り咲いた後の中国関連の言動を振り返ってみれば、こうした発言が決して一時の思いつきによるものではないことが難なくわかる。

 安倍氏は早くも1990年代から自民党のいわゆる歴史検討委員会に精を出して参与し、新版の歴史教科書を懸命に送り出し、日本の侵略の歴史を歪曲したうえ、その中核メンバーとなった。

 釣魚島など領土、海洋権益をめぐる中日間の争いにおいて、安倍氏はかつて中日間に釣魚島問題の棚上げ合意があったことを否認する前政権の立場を継承。釣魚島係争の存在を頑として認めないうえ、中日首脳の対話が実現できない責任を「一貫して対話に条件を設けているからだ」と中国側になすりつけている。

 安倍氏が歴史を歪曲し、中国の顔に泥を塗るのは、軍隊および戦争を行なう権利を再び保有し、かつての「輝き」を取り戻すべく、日本国憲法を改正し、日本をいわゆる「普通の国」に変えることが根本的目的だ。安倍氏からすると中国は、こうした「夢」を実現するうえで最大の「邪魔者」であり、日本の外交的苦境の最大の外的要因だ。

 日本がこうした苦境から抜け出す、あるいは「包囲を突破」するための安倍氏の処方箋は、中国を牽制し、さらには「封じ込める」ことだ。そこで安倍氏は戦略構想「民主主義安全保障ダイヤモンド」を打ち出し、「価値観外交」を推し進め、「中国脅威論」を囃し立て、釣魚島問題で「妥協せず」の姿勢を示し、しかも就任早々からいわゆる「戦略的外交」に着手し、自ら取り組み、その外交構想「中国封じ込め」を実行に移した。安倍氏は現在、中国と領土係争を抱える国と連携して中国に対抗すると公然と主張している。まさか「8カ国連合軍」をやりたいとでも言うのか。

 安倍氏は不安障害を患い、切羽詰まって取り得る手段は何でも試みてきた。半年余りが過ぎた。安倍氏の中国「封じ込め」の外交的布石はぼろが続出しており、「ひけらかす」ことのできる外交的進展をいくらかでも得たようには全く見えない。北東アジア地域では中米、中韓、中露の首脳がすでに会談を行い、緊密な意思疎通を継続している。安倍氏が最も信頼し重視するオバマ政権も現在、中国と協力の拡大、溝の管理・コントロールについて戦略的な対話と手配を行なっている。東南アジア地域では、ASEAN各国はいずれも日本の投資と援助を歓迎しているが、中国の領土主権に関わる問題や対中「包囲・牽制」問題において日本の側に立つ国はいくらもない。南中国海問題で中国との争いが最も多い2つの国のうち、ベトナムは少し前に国家主席が訪中したし、フィリピンは実力上の問題から「日本の中国牽制の拠点としての重任」を担うのは困難だ。南アジア地域では中印首脳はすでに対話と協議を通じて両国間の国境問題を処理し、両国関係の健全で安定した発展に影響が出ないようにすることを確認した。

 安倍氏は中国周辺にいくつか石を放り投げたり、数回呼びかけをしたりすることで、少しのさざ波や返事は得られるかもしれない。だが安倍氏自身も、それが心理的ニーズを満たすだけであることをよく分かっているだろう。「8カ国連合軍」の時代はとっくに過ぎ去った。中国と領土係争を抱える国と連携して中国に対立するとの発想にいたっては、なおさらに現実離れしている。

 中国の関わる問題において自他共に欺き続け、身の程知らずな妄想を抱く。これでは恐らく不安障害は悪化する一方だろう。中日関係の直面する深刻な問題を直視し、これ以上回り道をしないこと、ましてや「8カ国連合軍」をかき集める妄想など抱かぬことを安倍氏と日本側にお勧めする。(編集NA)

 「人民網日本語版」