日本国民の自覚、政府の自覚
また少し、近代史を遡ってみましょう。
歴史を知らないのか、道徳観がないのか、日本人として恥ずかしいばかりです。
ところが、当時の若槻内閣は、軍部が既に動いている事を致し方ないとし、それを閣議一致で承認、大元帥である天皇も了承してしまいました。
メディアも、権益を護らんとする軍部の行動を賞賛し、日本国民も盛り上がります。
昭和7年1月には、(第一次)上海事変が起こります。こちらも同様、陸軍の自作自演でした。
一連の事件は、全てが政府、軍部の詭弁であることが分かります。
しかし、恐ろしいのは、現代も全く変わっていないことです。
日本は自らが勝ち取った民主主義ではないためか、本当の民主化は難しいとさえ言われます。
私は民主化の根本は”リベラル”だと思います。つまり、体制に左右されない個人の考え、信念、何事にをも受け入れる社会の寛容さだと思います。
ところが日本は、世間体が一番であり世論迎合(ポピュリズム)により社会が出来上がっていると感じます。
ここで、以前紹介した永井荷風の一説を掲載します。
よ〜く噛み締めて読んで下さい。
(前文略)
そは兎もあれ日本現代の禍根は政党の腐敗と軍人の過激思想と国民の自覚なき事の三事なり。
政党の腐敗も軍人の暴行も之を要するに一般国民の自覚に乏しきに起因するなり。個人の覚醒ぜさるがために起ることなり。(以外略)